水曜日, 9月 19, 2007

「無期懲役」とは?

700 :おさかなくわえた名無しさん :sage :2007/09/18(火) 15:15:27 ID:RyaeAtQK
無期懲役には刑期がないので終わりはなく、死ぬまで当局の監視下におかれることになる。
しかし、これではあまりにも希望がないので、無事に社会復帰した無期懲役受刑者については、
恩赦(刑の執行の免除)によって保護観察の身分から解放する措置がとられている。

刑の執行の免除(恩赦法8条)が認められるのは、仮出獄から最短でも10年程度、
平均では20年程度が無事に経過した後のことで、中央更生保護審査会が恩赦の
申出をし(恩赦法12条)、内閣が刑の執行の免除を決定(憲法73条7号)、天皇の認証
(憲法7条6号)を経て、法務大臣が本人に恩赦状を下付(恩赦法13条)する。これで
保護観察は終了し、以後は刑務所に逆戻りする心配をする必要はなくなる。

しかし、執行の免除はいわば刑期を満了したのと同様の扱いにするだけなので、
当然ながらいわゆる前科者として資格制限の対象となる。また、執行の免除から
5年以内は執行猶予がつけられず(刑法25条1項2号)、5年以内に犯した罪については
再犯として刑を加重される(刑法56条1項)。

最終的には執行の免除から10年間、罰金以上の刑に処されることなく無事に経過すれば、
無期懲役刑の言渡しが失効し(刑法34条の2第1項前段)、資格制限もなくなる。
そして市区町村役場の犯罪人名簿から名前が抹消され、ようやく法律上の犯罪者としての
扱いが終了する。